Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「…俺達も…付き合う…ことに…なった」
朝、学校へ行き、
バンド部のメンバーで集まって、
色々な話をしていた。
いつものように。
いつもと違ったのは、
それからのことだった。
謡が急に話を出してきた。
自分から話題を降ってくるような奴じゃない、謡が。
内容は…
花音と謡が、付き合うことになった。
…との、こと。
「マジかよっ!
おめっとさんっ」
俺は、二人に向かってそう言った。
つぅか、お似合いだと思ってたんだよな、この二人。
思ってたけど…
こんな風に発表されるとは思ってなかったから、
正直びっくりした。
「…ぅおぉっ!」
でも、それ以上にびっくりしたのは、宙音の表情。
隣を見ると、宙音はげっそりした顔をしている。
「ど、どしたんだよ、宙音?
嬉しくねェのか?」
宙音のことだから、
『よかったじゃねぇか、おめでとっ♪』
とかいうと思った。
「…ゃ、嬉しいけどさぁ、
悲しいんだよな…」
「あ?
どういう意味だ、それ。」
嬉しいけど悲しい?
わけわかんねェー。
「だから、二人が付き合うのはいいと思うんだけど、
…俺だけなんかのけ者じゃんっ!」
なるほど。
つまり宙音は、
バンド部の中で一人だけのけ者…
みたいなこと思ってるわけだ。
「何いってんだよっ!
俺、宙音のこと好きだぜっ?」
「お前…BL(ボーイズラブ)だったのか…」
「ちげぇよっ!!」
そういう意味じゃねぇよっ