Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「お前も、バンド部の大切な“仲間”ってことだ。」
「…!!」
俺がそう言った後には、
もう宙音の目には、涙があった。
「お、おい宙音!
何泣いてんだよっ」
「泣いてねぇよ!」
いや、泣いてるだろぅ。
「わ~っ
奏楽が宙音泣かした~」
花音が茶化す。
「え、や、えぇっ!?」
混乱状態の俺。
まさか、宙音が泣くとは思ってなかったから。
「…あのさ、宙音くん。」
…と、美歌が言った。
「誰も、宙音くんをのけ者だとか思ってないよ?
私が好きになったのは…そ、奏楽だけどぉ////
でも、宙音くんのことも、
友達として、仲間として、大好き。」
…美歌。
「…そう…その通り…」
…謡。
「そーそーっ
そんな弱気な言葉、
宙音らしくないってぇ
早くいつもの宙音に戻ってっ!」
…花音。
「皆…サンキュ☆」
…宙音。
皆、同じ気持ちなんだな。
良かった、バンド部を作って。
良かった、このメンバーで。
良かった、こいつらが…
“ 仲間 ”
で。
「お前ら、最高だっ!!!」
俺は、皆に抱きついた。
…本当、最高の仲間だよ。