Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「ゎゎわっ!
翡翠くんかぁ…びっくりしました〜。」


慌てた様子で本を閉じる美歌。


「なんだ?この本。」


ひょいっ


俺は美歌の読んでいた本を取り上げた。


「あ!
だ、ダメです…それは…」


美歌がそう言い終わった時には、
もう本を開けていた。


本の中身は、楽譜と、詞…?

もしかして、これって…


「美歌、お前…作曲できんの?!」


「キャーーッ!
だ、ダメって…言ったじゃないですか…!
もぅ…っ////」


美歌は顔を真っ赤にしかながら、俺から本を取り上げた。


「すっげぇーッ!
作曲って!
すげぇな、美歌!」


すげえ!
すげえよ、マジで!


「ちょ…そ、そんな大きい声で…」


「じゃぁ美歌の作った曲バンド部で演奏しようなっ!
美歌も入ることだし!」


「ゎ、私、入るって…決まったわけじゃ…」


「美歌ちゃん~♪」


背中から声がした。
花音だ。


「は、はぃ…?」


美歌は不思議そうな顔をしている。


「ボーカルやってくれるんだってねっ!
ありがとーッ!
すっごい嬉しいっ!
あ、あたし、姓花音!
花音って呼んでっよろしくねぇー!」


花音は1人ですらすらしゃべった。


「あの…だから私、入るって決まったわけでは…」


「キーンコーンカーンコーン…」


美歌の言葉とともにチャイムがなった。


「席につかなきゃ…」


俺も席につき、
俺と美歌と花音のおしゃべりタイムは終了した。


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