Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「プルルルルプルルルル……」
『もしもし』
…あ、
奏楽の声だ。
私より低い声。
でも、男の子にしては高い声。
元気のある、よく通る声。
一日声を聞いてなかっただけなのに、
こんなに…愛しいなんて…
『…美歌か?』
「ぅ、うん!
って、あれ?
なんで分かったの?」
『ケータイに表示されるだろ♪』
あ、そっか。
「ごめんね?
メール気づかなくて」
私のバカ…
なんでマナーモードにしてるの?
あーあ。
悪いことしたなぁ。
『いいよ。
…美歌の声が聞けて、嬉しいからっ////』
表情は見えてないけど、
でも、声を聞いただけで分かった。
奏楽、照れてるんだ。
きっと電話のむこうでは、
奏楽は耳を抑えて顔を赤くしている。
照れてる時に、耳を抑えるのが奏楽の癖。
『今から、美歌ん家行くから。』
「えぇ!?
ちょ、ちょっと待っ…」
「プープープープープー。」
電話を切られた。
全く奏楽は…
何も考えずに動くよね。
まぁそこも奏楽のいいところかもだけど。
私には、絶対真似出来ないこと。
「ピンポーン!」
え!?
もしかして、奏楽!?
早っ!
電話してから5分くらいしかたってないのに。