Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
鈴鳴とかいう奴…よっぽど宙音と仲悪いんだな。
いや、仲いいのか?
「じゃぁねぇ、明日から放課後ここで練習するから。
あ、楽器はこっちで用意するから持って来なくていいよ~」
いよいよ、明日からか…。
「そんじゃ、解散!」
…にしても、デビュー決定かぁ~。
仲間も増えたし、いいことばっかだな。
「そんじゃ帰るか。
…そだ!
鈴鳴ちゃんは家どこ?」
「二丁目三番町。」
「へーっ宙音ん家のすぐ近くじゃん!」
謡ん家もまぁまぁ近いし、結構近所だな。
「あたしは宙音ん家の近くとかいやって言ったんだけどね、ママがそこが安いからとか言って、しかたなーくそこにしたの。」
「なんで俺ん家の近くはいやなんだよ!?」
「当たり前でしょ?
宙音エキスがついたらどーすんの。」
「お前なぁ…」
「はいはい、ストップストップ!
取り敢えず帰ろうぜぇー!」
俺は止めに入った。
こいつら口を開けば喧嘩ばっかで…ったく、小学生かよ。
「じゃぁなー社長。」
「はははっすっかりため口だ。
まぁその方が気楽でいいさ~」
社長に手を振って、俺たちは一階に降りた。
そんで、帰り道。
「そんじゃぁな、宙音。謡。鈴鳴ちゃん。」
「ぉぅ!
また明日~」
「……じゃぁ…」
「…フンッ」
そんな感じで宙音達と別れた。
ってか俺鈴鳴ちゃんに嫌われてる?
鈴鳴ちゃんってイマイチどんな性格なのか分かんねぇ。
「宙音くんと鈴鳴ちゃん、帰り道一緒だけど大丈夫かなぁ?」
「分かんねぇ。
あいつら仲良いんか仲悪いんか~」
幼馴染って、そんな喧嘩するもんか?
俺と花音も、そりゃ喧嘩することもあるけど…あそこまで悪口飛び交わねぇよ。
「幼馴染って、いいよね、なんか…」
美歌はちょっと切なそうにそう言った。