Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
sotto voce 〜ひそかに〜
「お兄ちゃん~
朝だよ起きてぇ~」
誰だよベット揺らしてんの。
寝にくいんですけど…
「起きてぇ~」
あーもーうるさせぇなぁ。
「うるさい、あと5時間~」
「5時間だってぇ!
はははっ!
それをいうなら5分だろぉー」
その声は天響かぁ…
「もー知らないかんな。
もー8:00過ぎてるかんなぁ」
天響はそう言って、俺の部屋から出て行った…みたいだ。
俺はまだ目を瞑ったままだから、見えてないんだけど。
っつか、あいつ今、8:00過ぎてるとか言ってたよな?
天響は今…小3だから、時計は…読める!
「やばっ!」
俺はがばっと勢いよく起きた。
時刻は…8:05。
やばいやばいやばいっ!
ごめんな、読者の皆!
遅刻とか、いつものパターンかよーみたいなことおもうかもだけど、すんません!
俺、遅刻魔なんだよ!
つか、朝弱いんだって!
俺はダッシュで制服に着替えて、顔だけ洗って朝ご飯も食べずに学校に行った…
**********
ガラッ
「よっしゃぁ!
セーフっ!」
「キーンコーンカーンコーン…」
俺が教室に入った瞬間、チャイムが鳴った。
ってことは、セーフ!
「奏楽、また遅刻ギリギリかよっ♪」
宙音がさっそく俺に話しかけた。
「大丈夫だよ、まだ先生来てないから。」
そんで花音も話しかけてきた。
ってか、あ、本当だ。
先生来てねェ。
ガラッ
教室のドアがまた開いた。
入ってきたのは、先生だ。
「みんなおはようっ!
えーっと、今日は、転校生がくる。」
え!?
転校生!?
「えーっ!
男?女?」
「女だ女。」
「美少女?美少女?」
「美少女だ美少女。」
教室はこんな風にざわついている。
この学校、あんまり転校生とか来ないからなぁ。
「そんじゃ、入ってくれ~」
先生がそう言ってから、教室のドアはまた開く。
ガラッ
入ってきたのは…