――Rain
どうにか鈴を落ち着かせようときつく抱きしめる

鈴の細い体はやや冷たくて
汗でやわらかに濡れていた

浅い呼吸をたしなめて
わざとゆっくり呼吸する
それに合わせて段々鈴の呼吸もペースがゆっくりになった

赤い瞳も薄く覗く
焦点は合わずに虚ろではあったが
少しほっとした

小さく名前を呼ぶと体が少し震えて、反応する

思えば、こんなに鈴の近くに居るのは初めてだ
なんだかんだで距離を置かれてきたから

呼吸が重なって、また、ゆっくり離れる
繰り返し繰り返し

体も段々と心地良い体温に変わり
同化して、どちらが冷たくどちらが熱いのかが分からなくなった
< 18 / 18 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

親愛なる歌歌いさま

総文字数/382

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る
背中、だけ

総文字数/266

恋愛(その他)2ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop