屋上会話録。


キーンコーンカーン‥


本鈴が鳴った。

先生の叱責なんていつものことなので、俺はゆっくり出口に向かい始めた。

すると逆に出口から人が顔を出した。

「お前、授業‥」
「明日も話しかけてやるんだから!!」

幼なじみはそれだけ言ってバタバタと階段を降りていった。


「‥本当変な奴だな。」

珍しく独り言を言いながら、つい微笑んでいた自分に気がついた。

そんな自分に舌打ちをしてみる。


屋上の風が背中を押すのを感じながら、慌てて彼女の後を追ったのだった。




end.
< 14 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop