試恋
結城家
 






ここ、だよな。







青色の屋根が特徴的な一軒家を目の前に、盛大な溜息を出す。




これで間違ってたらどうしよう。



そんな不安を抱えつつも数十分、あたしは目的の家であろう前を右往左往していた。




「見ろよ、アイツ。ずっとあそこにいるぜ?」




「不審者として警察にでも突き出した方が良いんじゃね?」





日曜日の真昼間ということもあり、ガキに馬鹿にされるあたし。





「あれって結城さん家よね?」




「連絡を入れてあげた方がいいんじゃないかしら?」





ガキだけじゃなく、通行人や近隣の人にも変な目で見られるのは流石にきつものがあるぞ!






ああ、もうどうにでもなれ!!!





あたしは覚悟を決めて、ついにインターフォンを鳴らした。





 
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