あの日にあった出来事
「な、なんでここに
?」
「え?いや、シャンプー切れてないかなあって見にきただけだけど。どうかした?」
「どうもこうしたもないよ!ましてや妹のお風呂を覗きにくるなんてっ!」
私は慌てて近くにあったバスタオルで体を隠す。すると兄は意地悪そうにニヤリと笑った。

「あれ?音姫、そんなこと考えてたの?
ハレンチだなあ~」
「かっ、からかわないで!いくらお兄ちゃんでも許せないことはあるよ!?」

とは言いながら、心の片隅には兄が勝手にお風呂に入ってきたのを喜んでいる自分がいる。

あ~っ!もう!私のバカバカバカ~!!

急に何考えてるのよっ!?

そう自分に言い聞かせながら、私は自分の頭をまたポカポカと叩いた。

「音姫・・・俺達が血の繋がらない兄妹だってこと、知ってる?」
「えっ・・・!?」

気がつくと、兄が壁に手をつけ、動けない状態になっていた。

「や、やだ・・・お兄ちゃん、ここ・・・お風呂場だよ?」
「知ってる。」
「や・・・だから・・・っ!」

ふいに、唇に軽くキスされた。

「・・・!?お、・・・おにぃ・・・っ!」

今度は深く、ねっとり、濃厚に・・・

激しいキスに、私は息をする暇もなく、その場に倒れこんでしまった。

「・・・っはぁっ、はぁっ、はぁ・・・っ」
「もう、兄妹だとは思えない。音姫、お前が好きだ。」
「・・・っ!」

突然の告白に、頭が真っ白になった。

・・・好きって、一人の女性としてってこと?それとも、

「まっ、待ってお兄ちゃん!好きってなに?そもそも血が繋がらないって・・・」
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