あの日にあった出来事
ふと、奥の列から自信のなさそうなか弱い女の子の声が聞こえてきた。
「冲川さん。どうしたの?何か良い案でもあった?」
冲川さんが気の弱い子だってことは前から知っていたので、私はあえて優しく言ってみた。
「はい・・・えと、き、“肝試し”なんてどうでしょう?」
」
それを聞いて私の顔が真っ青になったと同時に、クラスの皆の顔も真っ青になりはじめた。
「えっ・・・肝試し・・・私、怖いの無理だし、ちょっと苦手、かな・・・」
「俺も。小さい頃肝試しで怖い目にあってさ。それ以来、怖くなっちゃって。」
さすがに皆もこの案には反対していた。
「そ、そんなぁ~せ、せっかく考えたのにぃ。」
「冲川さんの肝試しやりたい気持ちも分かるんだけど・・・最後くらい、パーッとしたのやろうよ!ねっ?」
「う、うわ~ん!皆のわからずや~!!」
そう言って、彼女は教室から飛び出して行ってしまった。
「ほら~お前のせいだぞ。女の子泣かせて悪いんだ~!」
「なっ、お、俺のせいじゃねーっつの!つか俺、なんも傷つけるよーなことなんか言ってねーし!」
「なんだと~!やるのかぁ?オラオラオラアぁぁぁ!!」
「いい加減にしなさ~い!!!」