あの日にあった出来事
私は彼女にそう言うと、すぐまた作業に戻ってメンバー表を黙々と作り始めた。
「う～んと・・・ここはちょっと多すぎるから・・・」
あれやこれやと私が頭を抱えて悩んでいると、さっきから私の作業をず～っと横で見ていた女の子が、手を挙げて質問した。
「姫宮さん、どうしたのですか？」
名前は姫宮緋菜。大人しく、クラスの中でも結構孤立しているほうだが、頭脳は全国でも指折りの学力を持った、ある意味凄い子ともいえる。でもその分誰よりも計算高く、近寄り難い、私には苦手な子ともいえた。
「え、えと・・・ひ、姫宮さんはどうしたい？なんか良い案とか浮かんだ？」
「特にこれといった意味は全くありませんけど・・・その肝試しはいつやるのですか？」
突然質問され、私は少し戸惑った。
「えっと・・・３月の半ば頃かな。」
「そうですか・・・有り難うございました。」
その時、何故か彼女は少し残念そうな顔をした。私はその様子がとても気になった。だって、普段あんまり話そうとしない彼女が、こんなに真剣な表情になるのだから。
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