火星より愛を込めて
嫌な音を立ててボディが破裂し、右エンジンルームが露出する。ぎりぎり躱したので内部までやられてはいない。
パルスレーザーは、断続的に発射されたレーザーで、標的の表面を蒸発させ、そのときの伸縮運動によって内部に衝撃波を起こし粉砕するものである。破壊力はあるが貫通力は余りない。
「くそっ、見てろよ」
マックは、急制動をかけ、相手の後方に出た。
逆Gによって、機体が軋むのを聞きながら、操縦をオート・モードに切り替え、KV・320を抜き、機体のトップを開いて身を乗り出す。
機体の回りはある程度エアシールドとボディの空力学的ラインで対気速度が落とされているので、吹き飛ばされることはない。
それでもかなり風は強い。
空気の壁が彼の身体を遥か後方へ吹き飛ばすのを堪え、KV・320を両手で構えて撃った。
青白い電子炎束が、黒いエアカーの左エンジンを捕らえた。
黒煙を上げて左のエンジンボックスが火を吹く。
エアカーは、推進軸のバランスを崩し、左へ急速に流れていく。
コントロールを失ったらしく、そのまま急激に高度を下げていった。
メガロポリス外縁部へ抜ける低高度スカイウェイに沿って落下していく。
まだ飛べるようだ。
「逃がすかよ」
マックは、操縦をマニュアル・モードに戻し、黒いエアカーを追って、降下した。
マックの乗るエアカーも、さっきの急制動でどこかいかれたらしく、機体が小刻みに震え出していた。
ぐっと高度が下がり、スカイウェイの両脇に聳えるビルの間隔が狭まってくる。
パルスレーザーは、断続的に発射されたレーザーで、標的の表面を蒸発させ、そのときの伸縮運動によって内部に衝撃波を起こし粉砕するものである。破壊力はあるが貫通力は余りない。
「くそっ、見てろよ」
マックは、急制動をかけ、相手の後方に出た。
逆Gによって、機体が軋むのを聞きながら、操縦をオート・モードに切り替え、KV・320を抜き、機体のトップを開いて身を乗り出す。
機体の回りはある程度エアシールドとボディの空力学的ラインで対気速度が落とされているので、吹き飛ばされることはない。
それでもかなり風は強い。
空気の壁が彼の身体を遥か後方へ吹き飛ばすのを堪え、KV・320を両手で構えて撃った。
青白い電子炎束が、黒いエアカーの左エンジンを捕らえた。
黒煙を上げて左のエンジンボックスが火を吹く。
エアカーは、推進軸のバランスを崩し、左へ急速に流れていく。
コントロールを失ったらしく、そのまま急激に高度を下げていった。
メガロポリス外縁部へ抜ける低高度スカイウェイに沿って落下していく。
まだ飛べるようだ。
「逃がすかよ」
マックは、操縦をマニュアル・モードに戻し、黒いエアカーを追って、降下した。
マックの乗るエアカーも、さっきの急制動でどこかいかれたらしく、機体が小刻みに震え出していた。
ぐっと高度が下がり、スカイウェイの両脇に聳えるビルの間隔が狭まってくる。