火星より愛を込めて
3 ハイパーウェポンスーツZERO
ジャッカル リビングルーム
ここは、メガロポリス宇宙港から東へ5千キロ離れた、オリンポスシティ宇宙港。ジャッカルは、その23番スポットに置かれていた。
マックはリビングルームで、メガロポリスのシグマイト供給所爆発事故のニュースを見ていた。
シグマイトは、半固体状のどす黒い塊で、一定以上の熱や電流によって緑色に輝いて反応し、エネルギーを発生する少々不安定な物質である。
主に、内燃系の宇宙船のエネルギー源として使用されているが、メガロポリスでは都市のエネルギーとしても使われていた。
そのシグマイトの爆発によって、あの37万8000平方キロあった広大なメガロポリスの80パーセントが壊滅したのであった。その原因は、1台のエアカーが、なぜか保護ドームを突き破ってシグマイトのタンクに激突炎上し、その熱でシグマイトが反応を始め爆発、連鎖反応でパイプライン通じてメガロポリス中に広がったのである。
その最後は、壮絶であった。
なにしろ、メガロポリス全体が、一斉に吹き飛んだのである。
「ひでぇ事故だな」
ぽつりと、マックが言った。
「その原因は、誰かさんがやったんだろ」
と、キムが言った。
キムは、スーパー・リアルタイプ・アンドロイドである。独立した知性と人格を持つ、ヒトに似せられて造られた有機系アンドロイドだ。
ヒトとの違いは、ヒトの約5倍の力、マイクロセコンド単位の反射神経を有し、体内に組み込まれた各種の機器により、特種能力を身につけている点だ。皮膚や、内臓、脳の大部分は、人工培養によって作られいる。
とくに脳は、人格からあらゆる一般的かつ専門的な知識までプログラムされ、その膨大な情報網は、同一人格の誕生を事実上不可能としていた。
マックはリビングルームで、メガロポリスのシグマイト供給所爆発事故のニュースを見ていた。
シグマイトは、半固体状のどす黒い塊で、一定以上の熱や電流によって緑色に輝いて反応し、エネルギーを発生する少々不安定な物質である。
主に、内燃系の宇宙船のエネルギー源として使用されているが、メガロポリスでは都市のエネルギーとしても使われていた。
そのシグマイトの爆発によって、あの37万8000平方キロあった広大なメガロポリスの80パーセントが壊滅したのであった。その原因は、1台のエアカーが、なぜか保護ドームを突き破ってシグマイトのタンクに激突炎上し、その熱でシグマイトが反応を始め爆発、連鎖反応でパイプライン通じてメガロポリス中に広がったのである。
その最後は、壮絶であった。
なにしろ、メガロポリス全体が、一斉に吹き飛んだのである。
「ひでぇ事故だな」
ぽつりと、マックが言った。
「その原因は、誰かさんがやったんだろ」
と、キムが言った。
キムは、スーパー・リアルタイプ・アンドロイドである。独立した知性と人格を持つ、ヒトに似せられて造られた有機系アンドロイドだ。
ヒトとの違いは、ヒトの約5倍の力、マイクロセコンド単位の反射神経を有し、体内に組み込まれた各種の機器により、特種能力を身につけている点だ。皮膚や、内臓、脳の大部分は、人工培養によって作られいる。
とくに脳は、人格からあらゆる一般的かつ専門的な知識までプログラムされ、その膨大な情報網は、同一人格の誕生を事実上不可能としていた。