火星より愛を込めて
〈ったく、どっから出て来たんだあんなもん〉

 マックはそう思ってから、プレートリフターと同じネットを貨物専門のトランスポーターが通っているのを思い出した。

〈しかし、何と言ってあんなもん乗せたのだろうか〉

 ふと疑問に思ったが、それ以上は攻撃が激しくて考えている暇がなかった。

 ショックキャノンが地を砕き、ブラスターが空気を焼き、粒子ビームが岩を貫き、レーザーがマックに浴びせられる。

 それでもさらに2人までは倒した。

 が、次第に遮蔽物が無くなってきていた。

 限界だった。

 マックとしては、こんな奴等に対してあれを使いたくはなかったが、PS・3スカウツは、幾ら強力なKV・320とはいえ、結局はたかがハンドブラスターでは歯が立たない。

〈仕方ないか、使おう〉

 マックは、手近に残っている中で比較的大きな岩の影に飛び込むと、S・PACの表面の一部を開き、その内部の赤いスイッチを押した。

 それと同時に叫ぶ。
< 21 / 44 >

この作品をシェア

pagetop