火星より愛を込めて

スカイウェイ・チェイス

 マックは、宇宙港内移動用の高速カートに乗って玄関ロビーへ向かった。

 2、3分もするとロビーに出た。

 そこでカートを乗り捨て、宇宙港を後にした。

 宇宙港を出て正面の通りがメインストリートだった。

 真っ直ぐに伸びている通りの両脇は、数キロ先まで、ホテル、酒場、レストラン、ブランドショップ、雑貨屋などが、びっしりと軒を連ねていた。

 この感じはメインストリートを外れても変わらない。メガロポリスは、どこへ行ってもごちゃごちゃといろいろな店で溢れかえっていた。

 そして天高く聳える高層構築物の群れ。

 都市設計がいいので、地上にいてもそれらの威圧感はなく太陽の陽射しも良く届いてくる。

 宇宙港周辺は、昼飯時で俄かに賑わっていた。

 マックは、出てすぐの所にあった、『LAURA』と言う名のレストランへ入った。

 店内は、こざっぱりしていて、落ち着いた感じのどこにでもありそうな装飾だった。

 丁度良いボリュームで静かなムード音楽が流れている。

 店内には、十名程の客がいた。

 服装からして観光客のようであった。

 そのうちの3人は、テテル人だった。

 テテル人は、地球の蛸に似た形態をしている。大気と重力の関係で、テテル本星以外では、ヒューマノイド形態の宇宙服を着ている。

 とりあえずマックは、濃いスモークブラウンのガラスがはまっている表に面した大きな窓のところのテーブルに着いた。

 すぐにウェイトレスが来た。
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