ラブ☆パニック
アタシは恐る恐る、顔を上げた。
見た瞬間、泣きそうになった。
「せせ、先生、顔も…変えました…?」
アタシの声が震えていく。
「ごめんね? 先生職員会議に行ってるよ?」
サァ――――…
血の気が引いて行くのを感じる。
ゆっくりとその人から放れ、急いでドアに手を掛けた。
『逃げようっ!』
そう思った瞬間、
「そこのお嬢ちゃん♪」
低くて、優しそうな声がかけられた。
「ははは、はい…?」
「気分でも悪い? 俺が見てあげようか?」
「ややや、ヤダですっ!!」
最悪だあぁぁぁあああっ!!!
アタシ何やってくれてんのぉ――っ!!
アタシはドアを開け、一目散に教室に向かった。
「ばいばぁ~い! また会おうね」
後ろからそう聞こえたけど、アタシは聞いてない事にした。
スグ様、教室に戻った。
移動授業だった為、みんなは教室にいない。
アタシは鞄を取り、ダッシュでお家まで帰った。