きっと好き



どんな女性かは知らなかったけど。
お母さんが入院してた時から、そういう女の人がいるんじゃないかと思ってた。



父は一瞬驚いた表情を見せたけど、“それなら話は早い”とでも思ったのか、話を続けた。







「萌さんは、いつも父さんを支えてくれる、優しい人だ。ひかるとも上手くやって行けると思う。」






お父さん、久しぶりに口をきいた娘に、何を言ってるのか分かってるの…?




「やだ、もぅ、優しいだなんて。」





目の前で父親と女の人が、じゃれている…。


私の目の前で


お母さんの目の前で


父親と女の人が、じゃれている…。








「……“上手くやって行ける”って、どういう事…?」




どす黒い感情が胸の辺りで渦を巻く。





「これから、ひかるも受験勉強しないといけないし、家事の手伝いなんかに来て貰おうと思ってる。」



「……いらない。」


「ひかる…?」











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