きっと好き
「父さんと萌さんがお付き合いしているからだ。」
「そんなの、私には関係無いじゃん。」
父さんの顔がムッとなってきた。
「萌さんは、お母さんが亡くなって落ち込んでた俺を支えてくれた人なんだ!」
興奮して立ち上がった父を"マキハラさん"がなだめて座らせた。
「……“落ち込んでた”?
ははっ 冗談よしてよ。本当はホッとしてたくせに。」
「何が言いたいんだ、ひかる。」
「…………ふざけんな。」
“自分が1番分かってるくせに。”
そう言ってやりたかったのに、鼻の奥がツーンとして、声が出なかった。
だから変わりに睨み付ける。
涙がこぼれないように。