きっと好き
「け、ケンカしないで~。私、ひかるちゃんが大丈夫なら、お手伝いには来ないわ。」
空気を変えようと"マキハラさん"が明るい声を出したけど、まだ私たちは睨みあっていた。
私は挑発するように、口元だけで微笑んで
「お父さんは、ホッとしたでしょう?
もう治療費も払わなくてよくなるし、"マキハラさん"との不倫生活からも、脱け出せるんだもんね?」
今までずっと思っていた事を言った。
"ガタンッ!!!"
と音を立てて立ち上がる父を、私は睨み続ける。
「俊彦さんっ!」
あたふたして"マキハラさん"は父の服の裾を引っ張るけど、もうそんなの無駄だ。
「父さんは、ホッとなんかしていない!」