きっと好き

「人は、人の暖かさを感じると安心するんだってさ。」

「…何の話よ？」


「…強がっちゃダメだよ。泣きたいときは泣かないと。」

「泣きたくなんか…ない。」

「辛いときは辛いって言わないと。」

「…だから、辛くもないってば。」






目線がちょうど神谷の鎖骨の辺りにあって、どうしたらいいのか分からない。






「……じゃあ、なんでそんな顔すんの。」


「………。」



上から降ってきた言葉に返す言葉も見つからず押し黙る。











「…泣いていいよ。ずっと居るから。」



神谷は魔法か何か、使えるのかもしれない。

神谷の優しい声を聞いた途端、堪えていた涙が止まらなくなってしまった。












神谷は私の頭を撫でながら、私が泣き止むまでずっと、ギュッと抱きしめていてくれた。