きっと好き
「いやぁ、可愛かった。寝顔。見ちゃった♪」
「…………ばか。」
どう反応すれば良いか分からず、とりあえず暴言をはいておく。
目が悪いのか、神谷は今日もメガネをかけていて、なんと言うか…
色気、5割増…?
「今、パン焼いてるから待ってね。」
「あ、うん。ありがとう。」
なんか…少女漫画みたいだ。
なんて思っていると
「おはよー。」
突然“大人神谷”が現れた。
「あ!おはようございます!!」
「ははっ おはよー。」
わかってる。
“大人神谷”はきっと、神谷のお父さんだ。
「突然お邪魔して、挨拶もしないで…っ」
すると、神谷のお父さんはペコペコお辞儀する私を見て笑って
「岳もまともな彼女、つくれるんだ。」
って言った。
「……え。」
「父さん、余計なコト言わないでよ。」
少し不機嫌になった神谷を前に、神谷のお父さんはヘラヘラ笑っていた。