きっと好き
「……そっか。」
何とも言えない空気を作り出して、神谷はまたパンをかじった。
「確かめないといけない事もあるし。」
「…確かめないといけない事?」
神谷がそう問いかけたとき
「おはよー」
泉くんが目を擦りながら登場した。
目を擦る仕草は計算されたように可愛い。
「泉、おはよう。」
笑いかける神谷のお父さんに
「おかえり!!」
思い切り飛び付く泉くん。
…本当、ドラマを見ているみたい。
私と父の関係も、美緒によく「ドラマみたいだねぇ」って言われるけど
ウチは“昼ドラ”で、神谷家は“月9”
そんな感じ。
「ひかる姉ちゃん、おはよー。」
泉くんの満面の笑みがまぶしい。
「おはよう。」
挨拶を返すと嬉しそうにして笑った。