きっと好き
「じゃ、俺らこのまま部活行くわ。
瀬合は?教室戻んの?」
「あ、うん。カバン置いてきたし…。」
……神谷が待ってるし。
「そっか。じゃ、また明日なぁ!」
「うん。バイバイ。」
平井君と田中君に手をふって別れる。
「………さ、帰ろ。」
もらったプリント類をまとめて、教室を出ると平井君が走って戻ってきた。
「? どうしたの?」
「プリント忘れたっ!」
ヘラって笑って机の中からプリントを取る。
「気付いてよかったね。」
「うん。田中のおかげ。」
「じゃ」って言って帰ろうと思ったら
「瀬合、最近どう…?」
って平井君に聞かれた。
「……どうって?」
「いや、その…。嫌がらせとか、されてない?」
平井君は優しい。優しすぎて顔の筋肉が緩んでしまう。
「大丈夫。大分マシになったし。
それに…なんだかんだで、神谷がなんとかしてくれてるみたい。」
…照れる。
こんな事を言うと、本当に付き合ってるみたいだ。
「……そか。じゃ…部活行くわ。」
平井君は気まずそうに目を泳がせて行ってしまった。
「???」
あれ、私、のろけたみたいになってる…?