きっと好き
「え~?それって、俊彦さんのこと?」
「…えっと、はい。」
違うけど、似たようなモノでしょ。
「ん~… そうねぇ、“想うだけは許して”って思ってたかな…?」
「想うだけ…?」
「うん。奥さんもお子さんも、いるのは知ってたから。」
なんとなく気まずくて私はグラタンを口に運んだ。
「…でもね、奥さんが亡くなったって聞いたとき“諦めよう”って思ったの。」
「………え?」
チャンス じゃなくて?
「だって…現実は素敵な思い出には勝てないから…。」
「………。」
そんなこと思ってたんだ…。
「でも、諦められなくて…。
しかも、思いが強すぎて俊彦さんに伝わっちゃった あはは…。」
「…そうなんだ。」
萌さんもたくさん悩んでいたんだ…。