きっと好き
………‥
…‥







「じゃあ、帰るね」


神谷がそう言ったのは9時前だった。



「うん。気を付けて帰ってよ?」



思ったよりも遅い時間になってしまっていた。



「ははっ 大丈夫だよ。男だし?」

「最近は男の子だって危険なんだってば。」



特に神谷みたいに綺麗な顔してるのは危険な気がする。




「はいはい。ひかるはちゃんと寝てなきゃダメだよ?」

「…わかってるよ。」



「じゃ」って言って神谷が玄関を開けるとビュッと冷たい風が入ってきた。



「さぶっ!!」


と言う神谷はカッターシャツだけで何も羽織っていなかった。


「そんな格好じゃ寒いに決まってるじゃん。」


「待ってて」と言って兄が置いていったカーディガンを取りにいく。





「着て帰って。小さいかもしれないけど。」



兄は身長164センチと小柄な方だ。
きっと神谷は180センチ近くあると思う。







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