ふた恋~雨が上がれば~
「んっ……」


一体どれくらい眠っていたんだろう。


「あれ?ここ……」


ボーっとする頭で、今自分がどこにいるか必死に考える。


裕也に浮気をされて、雨に濡れながら駅まで歩いて、そこで力尽きて眠り込んだのは覚えてる。


でもそのあとの記憶が全くない。


「ベッド?」


少しづつ、眠っている頭が働き出す。


駅で眠っていたはずなのに、今はふわふわの柔らかいベッドに横になっている。


しかも足の方に大きな窓があって、そこから太陽の光がたっぷりと降り注いでいた。


「朝、だよね」


ということは、裕也に振られてから夜が明けたってことだ。


「えっ!?」


そう思ったら急に頭が働き出して、私は勢い良く体を起こした。


その瞬間、何かがボトッと音を立てて、布団の上に落ちた。
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