ふた恋~雨が上がれば~
そしてゆっくりと、ドアが開いた。
「乗って」
矢野さんが開いたドアの上の部分に手をかけ、私に乗るように促す。
私が乗り込んだのを確認すると、矢野さんも上半身だけタクシーの中に入ってきた。
「どこまで行くの?」
「えっと……」
本当はこのまま大学に行きたかったけど、何も持っていないので嫌だけど祐也の家に戻ることを決めて、場所を矢野さんと運転手さんに告げる。
「じゃあ、これで」
ズボンの後ろのポケットから財布を取り出し1万円札を出し、運転手さんに渡す矢野さん。
「えっ、ダメです!」
お金は自分で払うと言うも、矢野さんは「いいから」と言って首を横に振るだけ。
「でも……」
それでも渋る私に、「じゃあ、次に会ったら返して」と言ってドアを閉め、一歩後ろに下がった。
「出していいですか?」
運転手さんが私に声を掛ける。
「乗って」
矢野さんが開いたドアの上の部分に手をかけ、私に乗るように促す。
私が乗り込んだのを確認すると、矢野さんも上半身だけタクシーの中に入ってきた。
「どこまで行くの?」
「えっと……」
本当はこのまま大学に行きたかったけど、何も持っていないので嫌だけど祐也の家に戻ることを決めて、場所を矢野さんと運転手さんに告げる。
「じゃあ、これで」
ズボンの後ろのポケットから財布を取り出し1万円札を出し、運転手さんに渡す矢野さん。
「えっ、ダメです!」
お金は自分で払うと言うも、矢野さんは「いいから」と言って首を横に振るだけ。
「でも……」
それでも渋る私に、「じゃあ、次に会ったら返して」と言ってドアを閉め、一歩後ろに下がった。
「出していいですか?」
運転手さんが私に声を掛ける。