ふた恋~雨が上がれば~
「よし」


気合を入れお風呂場を出て、祐也のいるリビングに戻る。


ドアを少しだけ開けると、まだ祐也はテレビを見ていた。


「大学終わったら、荷物片付けに来るから」


「ん」


ドアの隙間から声をかけて、静かにドアを閉めた。


自分の部屋に戻って、大学に行く支度をする。


鞄に教科書を詰めて、スマートフォンを手に取った。


「もう、12時か」


スマートフォンで時間を確認すると、美香からの着信が1件残っているのに気づいた。


美香に電話をかけながら、マンションを出る。


『もしもし、瑠璃?』


しばらくすると、電話の向こうから美香の元気な声が聞こえてきた。


「うん、私。電話くれた?」


『したよ~寝坊?授業来なかったけど』
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