ふた恋~雨が上がれば~
「鉢合わせ!?」


「それより最悪。玄関に女物の靴置いてあるなって思って部屋の中あちこち探したら、二人がベッドにいて」


美香がビックリした顔をする。


「で、祐也に言われたの。お前のこと妹みたいにしか思えない、だから別れようって」


「何それ、最悪じゃん」


怒ったような口調でそう言った美香は、大きな口でパスタを頬張った。


「それで?そんな最低男、当然別れるんだよね?」


「……うん。もう、無理」


「やっぱり、最初に浮気報道が出たときに別れた方がよかったよね」


「うん。そうかも」


少しだけ冷めてしまったオムライスを口に入れる。


祐也の話をしたせいか、さっきまで美味しいと感じていたオムライスが急に味のないものになってしまった気がした。


「それで?昨日の夜はどうしたの?」


「何も持たずに家飛び出して、知らない人に拾われた」


「……はっ?言ってる意味がわからないんだけど」
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