ふた恋~雨が上がれば~
「しょうがないな」


電話を切って、駅のホームに下りていく。


すぐに来た電車に乗り込んで、マンションがある最寄駅で降りた。


「今日の夕ご飯どうしようかな?」


冷蔵庫の中身を思い浮かべながら、マンションまでの道を歩く。


駅から数分歩くと、大きくて立派なマンションが見てくる。


そのマンションの最上階が、今住んでいるところ。


裕也はまだ若いけど、ファッション雑誌界では今人気ナンバーワンのカメラマン。


中学時代から自己流でカメラの勉強を始めて、高校に通いながらその世界に飛び込み、大学も途中で中退して今現在に至る。


裕也が売れてる理由は、その服を一番魅力的に撮れることと、モデルの女の子の笑顔を引き出せる口話テクニックがあること。


まあ、背も高くイケメンだし、仕事終わりに裕也に寄ってくるモデルさんたちは数知れず。


この前なんかも、週刊誌で裕也と今モデル界で一番人気のレイラがホテルから出てくるところを撮られたばっかりだし。


私には、大勢で食事をしててたまたま二人で出たところを撮られたって言ってたけど、世間では今だにその話題で持ちきり。


浮気じゃないと思ってても、やっぱり彼氏にそんな話題が出るのはすごくショックで、ため息ばかりついてしまう。


「ただいま~」
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