ふた恋~雨が上がれば~
「やっぱり、喧嘩したのかい?」


「別れちゃった」


「そうか」


私の隣に座ったおばあちゃんは、そっと頭をなでてくれた。


その瞬間、ポロンと涙がこぼれた。


「じゃあ、また一緒に暮らそうかね。おばあちゃんもそろそろ、瑠璃と暮らしたいなって思ってたんだよ」


「うん。ありあとう、おばあちゃん」


「さっ、一緒に部屋の掃除をしよう。おばあちゃんも最近忙しくてね、瑠璃の部屋の掃除まで手をつけれなくて」


「うん!」


久しぶりに2階にある自分の部屋に入って、窓を思いっきり開ける。


おばあちゃんが時々掃除をしてくれてるからあまり汚れてないけど、それでも一通りフローリングの床を濡れ雑巾で拭き、ベッドの布団を干した。


「布団は30分くらいで取り込めばいいね。瑠璃、お風呂掃除してきてくれるかい?おばあちゃんは、夕ご飯の支度をするから」


「分かった」


「それが終わったら布団を入れて、ご飯の支度を手伝っておくれね」


「はーい」
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