ふた恋~雨が上がれば~
「お前のこと、好きだったよ。だけどさ、なんか違うっていうか」


「違うって?」


またフーって、煙草の煙を吐き出す裕也。


「恋愛感情じゃなかったっていうか、お前のこと、やっぱり妹みたいにしか思えないっていうか」


「なに、それ……」


じゃあ裕也は、途中から私に恋愛感情がなかったの?


私はこんなに好きなのに、裕也は好きじゃなかったの?


「んっ……」


裕也の言葉に呆然としていると、レイラがモソモソと起き出した。


「あれ?帰ってきちゃったの?」


「ああ。今、別れ話してるところ」


「ふーん。そうなんだ」


起き上がって胸を隠すようにシーツを肩まで引き上げ、空いてる手で長くてツヤツヤ輝いている髪を掻き上げるレイラ。


それから裕也が吸ってた煙草を取り上げて、それを吸った。


レイラの吐き出した煙が、天井に登っていく。
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