【短編】アタシは商品
「ぷはぁ~っっ。
やっぱ、酒はうめーな」
唸りながら、ジョッキを机に置く。
「親父くさいですよ~」
普段からは想像つかない姿に新鮮で笑いが出てくる。
「もう32の親父だし。
つーか、他の子に一緒に来たこと言うなよ」
「言いませんよー。
ていうか、32歳だったんですね!?
もっと若いのかと思ってました」
“頼りないお兄さん”って感じの雰囲気のせいか、32歳という年の差を感じさせない。