【短編】アタシは商品
「どうも。
マネージャーの笹崎です」
ぶっきらぼうな…面倒くさそうな言い方で、彼はアタシの前の椅子に座る。
「え~っと……まぁ、これが契約書と。。。」
そう言いながら書類をアタシの前に出し、事務所に登録する手続きについて説明して行く。
なんとなく滑舌の悪いこもった声。
年は28~33くらいだろうか。
背も高くそれなりにカッコイイと思った。
だけど、ボサッとした髪型にくたびれた雰囲気のスーツがなんだか頼り無さそうで……。
(…悪くは無いケド、好みじゃない。
でもまぁ、生理的に受け付けない人がマネージャーじゃなくて良かった)
アタシはそんな事を思いながら、説明を聞いていた。