【短編】アタシは商品

「じゃぁ、行くか。」


彼は特に気に留めた様子も無く歩いて行く。


(せっかく…勇気出したのにな……)


切なくなって、アタシは、そ~っと掴んでいた彼の腕を離す。




――その時だった。


――ギュッ


離れかけたアタシの手を彼が掴む。

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