【短編】アタシは商品

「またはぐれるなよ?」


握っている彼の手に力がこもる。


――ドクンッ


震える心臓。


(ねぇ、アタシの事どう思ってるの?)


彼の気持ちを確かめるかのように、アタシは繋いでる手の力をギュッと込める。


(もっと近づきたい)
「…………」

「…………」



――ギュッ…



彼の手に力がこもる。
強く握られた手から、彼の気持ちがちょっと伝わって来た気がした。

< 33 / 60 >

この作品をシェア

pagetop