【短編】アタシは商品

いくつかのアトラクションを乗り終え園内を歩く。


「次、どれ乗る?」

「うーんとね…」


もう園内を一緒に歩く時は、アタシ達はお互いに手を繋ぐのが当たり前になっていた。

どちらかともなく手を差し出す。

触れ合う手。
伝わって来るぬくもりと、夕焼けの園内のロマンチックな雰囲気にドキドキが止まらない。


いつもなら嫌なアトラクションの待ち時間さえ気にならない。

でも、恥ずかしくてそれを悟られたくなくて、


「手を繋いでる姿見られたらクビになるんじゃないですかぁ~~」


ちょっと冗談口調で言ってみたりして。。。


(あぁ、アタシって本当に可愛くない!(泣))
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