【短編】アタシは商品


《お疲れ様です。
いま、終了致しました。
今日も昨日と同じぐらいの時間に電話して大丈夫ですか?》



事務的な内容のメールなのに、ズキンっと胸を刺す。



《お疲れ様です。
すみません、今現場なので電話出来そうにありません。明日、こちらから電話します》


彼がメールを返すためにカチカチと携帯のキーを鳴らす。


「アタシ現場扱いなんだ…」


つい本音が口から漏れる。
確かにおおっぴらに言える事はしていないけれど…むしろ隠さなきゃいけない事だけど……。

アタシとデートしている事を他の子に隠すという行為が切なくって仕方がない。

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