【短編】アタシは商品
そうあの日、いつもよりちょっとだけ大きな仕事を2日後に控えていた日。
仕事が終わって携帯をみると、実家にいる母親から不在着信が大量に入っていた。
(なんだろう…)
――TRRRR
嫌な予感がしてかけ直すと、少し焦った様子の母親が出た。
「あっ!栞!?
おばあちゃんが危篤なの!」
母親の言葉に耳を疑う。
「それ…ホントに?」
おばあちゃんは、アタシが幼い頃から一緒に暮らしていた。
だけど、数年前から心臓を患いずっと入院していた。
『栞、今から病院来れる??』
母親の言葉にアタシは同意し、おばあちゃんが入院する病院へ向かった。