‐ヤンデレ達と私‐

「ひゃっ!先生、どうしたんですか?!」


身長の高い先生を見上げると、先生は私が携帯を持ってる方の腕をギュッと掴む。


痛さに顔をしかめると先生は私を見下している。


いつもの戸惑った表情等ではなく無表情だった。


「‥誰?」


「え?」


「電話の相手、誰?」


ちらりと見えた先生の目が、余りにも恐すぎて私は鳥肌が立つ。


「知り合いのルイ君です、仲が良くて‥少し話してました」


「‥‥」


「先生、ごめんなさい‥もう仕事しますから‥許して下さい」


「‥違う、よ」


先生が怒っている理由は私が仕事中に、バルコニーで暢気に電話していたからだと思う。


でも今、先生は違うと言って私から手を離した。


「ご、ごめん‥手首赤くなってる‥本当に、ごめん」


「‥買い物行ってきます」


さっきの恐い先生はいつの間にか女の子が苦手な、いつもの先生に戻っていた。


先生の伸ばした手から逃げるように部屋に入ると、先生から貰った食費と鍵を持って私は家から出て行った。



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