‐ヤンデレ達と私‐

何処に行くんだろう‥、車は大通りを走っている。


車内はジャズみたいな音楽が流れてて、私は少しうとうとしながら窓の外を眺める。


「ごはん、食べに行く?」


「もう11時なんですね、お昼ご飯も兼ねて食べに行きましょうか?」


「そう、だね」


青いカッターシャツの下から、白いタンクトップがちらりと覗いている。


ベージュのチノパンは、少し緩く履いているけど形はきっとスリムだろう。


先生、オシャレなんだー‥とおもい見ていると、先生は天パの茶色い髪の毛をかき上げた。


「先生それパーマかけてないですよね?」


「‥かけてないよ?」


「天パって可愛いですよね、私の友達にも居るんですけど‥可愛くて良いなーって」


車は赤信号につかまり、ゆっくりと止まる。


先生は私に目線を動かし、私も窓から先生に視線を動かす。


「芦名さんは‥いつだって可愛らしいよ」


「なに言って‥‥っ」


「因みに‥お世辞じゃないよ?俺は、嘘が嫌いなんだ」


先生はそう言って笑うと、再び前を見て窓を少し開けた。


赤信号から青信号に変わる―


ゆっくりと発進する車の中で、私と先生は顔を真っ赤にしていた。



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