‐ヤンデレ達と私‐
オートロックのロビーに管理人が小窓から覗いている。
柔らかさを出しているロビーのライトは、シャンデリアのような形だった。
「なんか凄い‥」
「沙由ちゃん、行くわよ」
「はい!」
ドアが開き中に入ると、中庭には噴水とベンチがあり小さな公園の様になっている。
「うわぁ‥凄い」
「まあ有名な先生はこれくらい当たり前よ、次は豪邸でも買うのかしらね」
「先生、ってそんな有名な方なんですか?私名前聞いてない」
真美さんは「見れば分かるわよ」と怪しい笑みを浮かべ、エレベーターへと入って行く。
私も続いて入ると真美さんはパチン、と一番上の階のボタンを押した。
「(どんな人なんだろ)」
「‥沙由ちゃん、一つお願いがあるの」
「は、はい‥何でしょう?」
ぼんやりしてた私はびっくりして真美さんを見ると、タイミングよくエレベーターの扉が開く。
「先生を裏切ったり、寂しい思いはさせないで‥あの人壊れちゃうかもしれないから」
「‥‥は?」
「まあ、普通に接してれば大丈夫だから!お願いよ?」
真美さんは綺麗に笑うと、門を開き鍵で玄関の扉を開けた。
「先生、お邪魔しますよ」
「‥お邪魔します」
中は薄暗く、真美さんは歩きながら電気を付けていく。
広く大きなリビングに長いソファー、テレビ、テーブルが置いてある。
やっと明るくなった部屋に先生の姿は見受けられない。
真美さんのため息が聞こえた。
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