‐ヤンデレ達と私‐
おばさんはいつの間にか裏に行っていたのか、手にはオムライスを二つ持ってにこやかに歩いてきた。
「はい、お待たせしましたー」
「わーっ、おいしそう!」
手をお手拭きで綺麗にすると、いただきますと手を合わせスプーンを掴むとぱくりと一口食べる。
ふわふわな卵にチキンライスが凄く合っている、ホントに美味しいっ!
「‥美味しい!幸せー」
「そんなに喜んで貰えたら作ったかいがあるねー、コックに言ったら喜ぶわ」
そんな私を先生は子供でも見るかのような、優しい眼差しで私を見ていた。
恥ずかしくなり大人しく食べると、先生もいただきますと言うと静かに食べはじめる。
「やっぱり‥美味しい」
「先生一人で来てたんですか?こんなに可愛いお店に」
それを聞いていたおばさんはアハハッと笑って、違うわよっ!と言った。
「ついこの間まで長く付き合ってた彼女と来てたわよー、もうイチャイチャしながらっ」
「‥そうなんですか」
「しかも名前は言えないけど、有名な雑誌モデルよー?小説家はモテるのかしらね?」
先生はおばさんをじっと見てから目を伏せる。
やっぱり彼女居たのか、そりゃそうだよねー‥。
私は胸がずきずきと痛む理由を、知らんぷりしてひたすらオムライスを口に運んだ。
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