‐ヤンデレ達と私‐

先生の恋愛小説好きなのにな‥今の聞いたら見たくなくなっちゃったよ。


なんか、気まずいな‥。


――――‥
―――――‥


「ごちそうさまです」


「ごちそうさま‥でした」


ぱちんと手を叩きお辞儀をすると私は「お手洗いに行きます」と言って席を立った。


お手洗いに入ると、鏡を見て私はフッと笑う。


「‥先生のあの顔可笑しかった」


おばさんを見て、余計な事言うなよ!みたいな顔。


ふーっとため息をついて、化粧を直す。


軽くパウダーを付け、桜の匂いがするリップクリームを塗り、上からグロスを塗る。


パーカーを羽織ってお手洗いを出ると、「私はお待たせしました」と先生に言うと一緒にお会計まで行く。


「俺が出すから‥」


「私の分は出させて下さい」


「良いから、今日はとりあえず出させて」


「‥でも」


その様子を見ていたおばさんは、私を見て口を開く。


「働いて金ある人が奢るって言ってんだらか甘えておきなさいよ!男にいちいち突っ掛かると、可愛いげないって思われるわよ?」


可愛いげなんてとっくにないですよ、おばさん。


と、言いたかったけれどもう面倒だから先生に「ご馳走さまです」とだけ告げた。


何だかんだ先生には甘やかされてるし、私家事しかしてないから役に立ててないかも?


おばさんにもご馳走さまですと言って、私と先生はお店を出た。



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