‐ヤンデレ達と私‐
私達、カップルじゃないですよ。
車に乗り込むと、先生はシートベルトを閉めて再び車を走らせる。
今日美容院に寄らないといけないんだった、すっかり忘れてた。
「ご馳走さまでした」
「いいえ」
「あの先生‥今日、美容院を予約してて‥一緒に来て貰えませんか?」
そう言って袖を掴むと、先生は少しだけ顔をしかめる。
「髪を‥切るの?」
「‥え?」
ヤバい、バレたのか?!と言葉を詰まらせると先生は車を端に止めて私をじっと見つめる。
「髪‥切らないで」
「も、もも‥勿論!先生が言うなら(勝手に先生の髪の毛は)切りませんっ」
先生はしかめていた顔を綻ばせ、にっこりと笑う。
こんなに笑っている先生を私は初めて見たかもしれない‥、やっぱり綺麗だな。
そんな事を考えていると、先生は不意に私の髪を触る。
「こんなに‥長くて、綺麗なのに‥勿体ないよ」
「―っ」
「可愛いね」
あれ?先生自身の事じゃなくて、私が髪の毛切るの?って事だったんだ‥。
真っ赤になっているだろう私を見て頬を撫でると、先生は再び車を出した。
心臓がドキドキ言ってる、携帯の時計を見ると時間は1時になっていた。
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