‐ヤンデレ達と私‐

「‥真美さん?」


「あの野郎、また恥ずかしくなって逃げやがったな!くっそーっ、部屋の扉壊してやる!出てこい、馬鹿小説家!!」


こうなった真美さんはもう手に終えないな、大人しく二人を見届けよう。


マンションなのに二階に上がる階段があり、真美さんはダンダン!と音を立てながら上がっていく。


三つの部屋があり、右側にある部屋を真美さんはゴンゴンと強く叩いた。


「先生、居るのは分かってるの‥さっさと出てこい若造」


「(‥う、うわぁ)」


中は静まり返り、誰かが居そうな気配はない。


「真美さん、ちょっと良いですか?」


「どーぞ!どうせ出てこないわよ、へたれ小説家っ!」


部屋の前に立ち大きく深呼吸をして、コンコンとノックすると私は口を開く。


「先生こんにちはっ‥私、芦名沙由って言います、今日は先生と仲良くなろうと思ったので少し残念です」


「‥‥」


「何でそんなに恐がってるんですか?私ただの女子高生ですよ、大丈夫です‥これから仲良くしましょう?先生」


《ガチャ》


扉が開くと真美さんは、え?!と悲鳴のような声を上げていた。


「‥芦名、沙由?」


「はい、何ですか?」


「俺は‥菊地秋(きくちみのる)、です‥宜しく」


「こちらこそ宜しくお願いします、菊地先生」


にっこり笑って手を差し延べると、今だ扉の向こうに居る先生は手だけ伸ばして私と握手した。



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