‐ヤンデレ達と私‐
お風呂から出ると、私は大きなボストンバッグに洋服を詰めていく。
この状態でここに要れる訳がない‥、だから早く準備をして家を出ないとダメだ。
「とりあえずこれだけで良いかな‥」
私はふとプレゼントに目をやる、先生に似合いそうな服ももう渡せないのかな。
「リビングでテレビ見ようかな」
「沙由ちゃん」
「‥っ!!」
先生はノックすることなく部屋に入って来ると、私の後ろにあるボストンバッグを見た。
表情がどんどん恐ろしくなる先生に私はゾクリと身震いする。
「それ、なに?」
「‥あっ」
「家出てくとか言わないよね?」
潤んだ先生の瞳に私は胸が苦しくなったが、グッと堪え先生と向き合うと口を開く。
「私‥バイト辞めます」
先生は縋り付く様に伸ばした手を、ギュッと握り私を睨む。
「ど、う‥て」
「え?」
「どうしてなんだよっ!!なんで‥なんで何だ!!
先生がガツンと横の壁を殴ると、そこには大きな穴が開いてしまった。
私はびっくりして口元を押さえるが、先生は苦しそうに胸を押さえて私を睨んだままだ。
「‥あの美容師、恋人なの?」
「ルイ君は違いますっ」
「‥アイツの事は名前で呼ぶのにっ、俺の名前は呼んでくれないんだね‥‥あああああ゛!」
先生は狂った様に頭を抱えて叫ぶと、その場にしゃがみ込む。
「‥先生」
「先生じゃない‥俺は先生なんて呼ばれたくないっ!!」
「‥‥‥」
「もう君には伝わらないんだね、昔から鈍感だなぁ」
先生はにやりと笑い私の手首を掴むと、私を先生の寝室へと閉じ込めた。
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