‐ヤンデレ達と私‐
鋏が鈍く光ったら。
タクシーに乗り気持ちを沈めて美容院に向かうと、店の明かりは小さく灯っていた。
私はタクシーを下りると、カランと扉の鈴を鳴らし中に入る。
「お、早かったね?」
「久しぶり‥って、ルイ君、随分雰囲気変わったね」
柔らかく茶色だった髪は真っ黒になり、何処か大人っぽさが増していて妙にドキドキしてしまう。
案内された椅子に座ると、ルイ君はさっさと準備をしていく。
「髪型似合わないかな?」
「ううん、黒髪も似合ってる‥てゆーか今の方が良いかも」
「はは、ありがとう」
ニッコリ笑い私の髪の毛を濡らしていくと、櫛で髪を梳かしながら私の髪を切っていく。
「‥ショートにする?」
「ショートかぁ、暑くなるし良いかもしれないね?そうしようかなぁ」
「顔小さいから、パーマかけてふんわりボブにするとか‥可愛いと思うんだよね」
ルイ君は雑誌を私に渡してくれた、沢山ある髪型で可愛いのが見つかった。
「これにするっ」
「了解、じゃあばっさり行くからね?」
ジャキンっという音が静かな店内に響き、私の頭が徐々に軽くなっていく。
鏡を見ると、真剣なルイ君の表情が見えた。
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