君のことを想いながら
「…っ…いっつも、いっつもケンくん、ケンくん…。
俺の存在はなんなんだよ!!
俺は母さんのロボットなんか
じゃねぇんだよ!!」


タカシの握りしめたシャーペンがギシギシと音をたてている。


涙を耐えているように見えた。

「…くそっ…」


タカシがそう言った時に
身体が黒い霧のようなものに包まれた。


それはどんどん大きくなって
いく。


俺はそれを待っていた。


「あ~あ…派手にやるねぇ…。まっ見えてない者にはどうでもいい事か…」


俺はそう言って数珠を
黒い霧へと向けた。


霧は一点に集まり小さな粒に
なり空いている穴へ
とゆっくり収まった。


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